中古のHP ProDesk 600 G2 SFFとTrueNAS SCALEを使ってNASを構築する

古いMacProの筐体を利用して自宅用NASとして利用していたのですが、消費電力を測定したところ150W程度利用しているとわかりました。
長年使った内蔵HDDの経年劣化も心配されるので、中古PCを活用してより低消費電力な自宅用NASを再構築することにしました。

用意したもの

HP ProDesk 600 G2 SFF

最寄のHARD OFFで中古PCとして販売されていたHP ProDesk 600 G2 SFFを購入しました。
この機種にしたのは、OS用のSSDとデータ用HDD2つのあわせて3つのSATAバイスを搭載できる構造になっているためです。

HARD OFFの店頭にはいくつか並んでいましたが、中古PCなのでCPUやメモリの搭載量に違いがありました。それらの中からTrueNAS SCALEの推奨メモリ容量の16GBを満たしていたものを選びました。

中古のビジネス用PCでは4GBのものが多いため、16GB搭載した状態で販売されているのは珍しいと思います。

その他にはCPUはCore i3 6100、256GBの2.5インチSSDが内蔵されていました。こちらはNASに利用する際にOSインストール用SSDとして活用します。

値段は8,800円でしたが、メモリやSSDが付属したことを考えるとお得だった気がします。

Western Digital Blue HDD / WD80EAZZ

今回はRAID1のミラーリングで利用するため、8TBのHDDを2つ用意しました。

ProDesk用3.5インチHDD用ネジ

中古で購入したHP ProDesk 600 G2 SFFには、内蔵の3.5インチベイが2つ、2.5インチベイが1つありました。HDD固定には自作PCで利用するネジではなく、専用のネジだったためAmazonで注文しました。

OSインストール用USBメモリ

OSをインストールするために、USBメモリを1つ準備しました。
NAS用OSといっても、windowsLinuxなどのOSと同じようにUSBメモリをインストールメディアとして利用します。

NAS用のOS選び

NAS用のOSとして、今回はTrueNAS SCALEを選びました。Linuxをベースにしているので扱いやすそうだったことと、導入事例などの情報を調べやすそうだったことを重視しました。

www.truenas.com

 

TrueNAS SCALEのインストール後のスクリーンショットです。
WebUIから内蔵したストレージの設定をしたり、NASのステータスを確認できました。

構築前後の消費電力の比較

これまで使っていたMacProを流用したストレージとの消費電力の比較です。
MacProでは定常状態で153Wでしたが、HP ProDesk 600 G2 SFFでは22Wまで省電力化できました。

Mini ITXサイズの小型PCのGPUをGeForce RTX 3050 StormX 6GBに交換する

2024年2月にGeforce RTX 3050 6GBを使った製品が各GPUメーカーから発売されました。消費電力が70Wで補助電源コネクターなしのタイプです。
Mini ITXサイズの小型PCに取り付けているASUS ROG-STRIX-RTX2070-O8G-GAMINGと交換して、省電力化してみることにしました。

 

GPUを交換する小型PCを組み立てた際の備忘録はこちらです。


用意したGPU

Palit GeForce RTX 3050 StormX 6GB

今回はPalitGeforce RTX 3050 StormX 6GBにしてみました。ファンレスモデルのKalmXも気になりましたが、MiniITXサイズのケースに組み込んだ時の冷却と価格差から選択しました。

www.palit.com

www.palit.com

 

Palitの製品は、ドスパラが国内販売代理店です。公式通販で購入しました。

www.dospara.co.jp

 

交換した様子

2スロット厚のシングルファンモデルです。

MiniITXのマザーボードに取り付けると、全長162mmのサイズ感がぴったりです。
大型のGPUに比べて、底面からのエアフローを遮らなくなり、補助電源のケーブルもなくなりました。

消費電力の変化

GPU交換前後でfolding@homeの演算をしてみて、その際の消費電力をワットモニターで測定しました。GPU交換前(ROG-STRIX-RTX2070-O8G-GAMING)が272W、交換後(RTX 3050 StormX 6GB)が155Wになりました。

およそ100~120W程度の省電力化ができました。

ベンチマーク

3DMark

3DMarkで交換前後のスコアを比較してみました。RTX2070とRTX3050(6GB)では元々の性能差があるため、Graphics TestでのFPSの差は順当のように思いました。

カードサイズが小さくなってPCケース内のエアフローが改善したためか、CPUの平均温度が74℃から67℃に改善していました。

Geekbench6

Geekbench6のCompute(OpenCL Score)で比較してみました。
交換前後のスコア比で約60%程度になりました。

 

Synology DS923+のメモリを4GBから32GBに増設する

プライベートクラウドに使っているDS923+のメモリを増設して、パフォーマンスが向上するか試してみました。

用意したもの

DS923+のメモリ仕様

Synology DS923+は、最大で32GBまで増設できます。

www.synology.com

Synologyの公式サイトで互換性が保証されていて、サポートを受けられるメモリを調べることができます。製品保証とテクニカルサポートが受けられるメモリはSynology製のメモリに限られます。

www.synology.com

メモリ(v-color Hynix DDR4-2666MHz 16GBx2 ECC SO-DIMM TES416G26D819K-VKC)

テクニカルサポートを受けられなくなりますが、v-colorのDDR4-2666MHz 16GBx2枚のSO-DIMMを選択しました。
製品保証やサポートを重視される場合は、対象外になってしまうため注意が必要です。


※16GB×2枚が在庫切れで商品ページを表示できなかったため、32GB×2枚の商品ページのリンクです。

交換作業の様子

DS923+は、HDDのドライブベイを外すと内側にメモリの拡張スロットがあります。

標準で取り付けられていた4GB×1枚のメモリを取り外し、16GB×2枚のメモリを取り付けました。

交換前後のリソースモニタの表示です。
交換前は使用率30%でしたが、キャッシュ済みの領域に2.2GBほど使用されており、空き領域が413.6MB(10%)となっていました。

交換後は使用率3%になり、空き領域が29.3GBまで改善しました。

ベンチマーク

10GBASE-T(10Gbps)で接続しているPCから、DS923+に対するRead/Write性能を測定しました。
左がメモリ交換前、右がメモリ交換後です。メモリ上にデータを受け取れるようになったためか、Write性能が改善しました。